病後の回復補助
厚労省「新型コロナウイルス感染症の手引き」によると、感染後の不快な症状の頻度は約72%であり、半年以上経過しても約56%の方が何らかの症状に悩まされています。オミクロン株に感染した後の症状はデルタ株とは異なり、咳などの呼吸器症状、倦怠感などの全身症状を訴える方が多いそうです。一方、日本東洋医学会の「COVID-19漢方治療症例報告」に感染症の後遺症に対する報告があり、漢方治療による症例も増えています。
病後の漢方処方
慢性的に咳が続くと呼吸する力も衰え、体力も衰えます。咳の原因となる炎症を抑える竹葉、石膏に加え、体力の回復に優れた人参、気管支粘膜の乾燥を防ぐ麦門冬などが配合された竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)を用います。せき込みが強くて呼吸困難を訴える場合は、せき込みを抑える紫蘇子(シソシ)が配合された蘇子降気湯(そしこうきとう)を用います。また、心身共に疲れて不眠が続く場合は帰脾湯(きひとう)、嗅覚障害が残る場合は麗沢通気湯加辛夷(れいたくつうきとうかしんい)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を用います。