老化による免疫低下
ヒトの免疫には自然免疫と獲得免疫があります。自然免疫はいろいろな病原体や異物を感知して排除する仕組みで、獲得免疫はコロナウイルスなど特異的な病原体を記憶し、出会ったときに効果的に排除する仕組みです。両者の免疫が相互に補完して私たちの体を守っています。加齢とともに免疫機能も低下しますが、獲得免疫の機能が著しく低下することが分ってきました。その機能は20歳代が頂点で、40歳代で半分に低下するとされています。漢方では老化による様々な変化に対応する処方が多くあります。代表的な処方として、補中益気湯、十全大補湯、八味地黄丸、小建中湯などが上げられます。また、高齢者・虚弱者などの低下した免疫力のアップには生体の抗体産生能力を強くサポートする炮附子(ほうぶし)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が優れています。