vol.361 天気と体調
雨が降る前は頭痛がする、梅雨時になると関節痛がでる、これは気圧の変化による「気象病」と考えられます。近年は生活習慣の変化なども影響して気象病にかかる人は増えています。症状は気圧の変化が急なほど強くなります。また、気圧の変化に加えて高湿度、気温の変化が重なると悪化しやすいと言われています。これは気圧の変化がストレスとなって自律神経を刺激し、血管の収縮や痙攣、血管の周囲の神経を刺激するためです。自律神経の乱れやすい人がかかりやすい病気です。
自律神経は全身を流れる「気」というエネルギーで調節されています。この「気」の流れを整えることで自律神経も安定し、気象病にかかりにくくなります。
【漢方処方】
気の流れが滞ると「気滞」というトラブルが発生します。気滞は、気がうまく循環せず、停滞しており、その場所がはったり、つまったり、痛んだりします。気の巡りを整える生薬には青皮(せいひ)、香附子(こうぶし)、柷実(きじつ)、紫胡(さいこ)などが配合された紫胡疎肝散(さいこそかんさん)が適しています。頭痛や関節痛よりも胃痛やみぞおちのつかえが気になる場合は、胃腸の働きを改善する人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、縮砂(しゅくしゃ)の配合された香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)が適しています。気滞は血の流れ、水の流れにも悪化させ、むくみ、冷え、貧血などの症状を引き起こす場合もあります。この場合は気・血・水のバランスを整える芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)が適しています。